『花とゆめ』の別冊で魔夜峰央が連載していた『翔んで埼玉』最初の連載は1982年。
当時はほとんど話題にならなかったにも関わらず、30年以上たった2015年にSNSを通じて話題になり、宝島社より復刊されました。さらにはそれがテレビ番組でも紹介され、一躍人気作品となりました。
2016年には発行部数が50万部を超え、2019年には実写映画化、さらには埼玉県知事選挙の啓発広告にも使用されるなど、日本中に浸透していきました。
映画『翔んで埼玉』はどんな作品?
タイトルに入っている通り、埼玉を舞台にした作品ですが、この作品内で埼玉はかなりディスられています。
当時、出身地や居住地でひどい差別が日常的に行われていました。埼玉県人、また千葉県人が東京に入るためには通行手形が必要だったのです。さらに同じ関東であるにも関わらず、必要以上に虐げられた生活をさせられていました。
東京屈指の名門校である白鵬堂学院を舞台に、そんな日本を変えるために戦っていくというのがメインのストーリーです。
その世界を変えようと戦う主人公、美少年の麻実麗をGACKT(ガクト)が演じ、その麻実麗に恋をしたことで戦いに巻き込まれていく壇ノ浦百美を二階堂ふみが演じています。
生徒会長の壇ノ浦が、アメリカ帰りの美青年でありながら、実は埼玉解放戦線のメンバーだった麻実に徐々に惹かれていく様子も面白く描かれています
『翔んで埼玉』のキャストの出身地はどこ?
では埼玉の地位をあげるために戦うこの映画のキャストは、埼玉出身者なのでしょうか?
埼玉は、以前はなわの歌で「ダサイタマ」と歌われていたこともありますし、映画の中ほどの差別はないにしても、少し格下に見られがちな埼玉県人がこれまでの思いを込めて演じていたのかもしれない、と思いますよね!
主要キャストの出身地を調べてみると・・・。
- GACKT(麻実麗):沖縄県出身
- 二階堂ふみ(壇ノ浦百美):沖縄県出身
- 伊勢谷友介(阿久津翔):東京都出身
- 中尾彬(壇ノ浦建造):千葉県出身
- 武田久美子(壇ノ浦恵子):東京都出身
- 京本政樹(埼玉デューク):大阪府出身
- 麿赤兒(西園寺宗十郎):奈良県出身
- 益若つばさ(おかよ):埼玉県出身
- 加藤諒(下川信男):静岡県出身
- 間宮祥太朗(埼玉県人の青年):神奈川県出身
- 竹中直人(神奈川県知事):神奈川県出身
- ブラザートム(菅原好海):埼玉県出身
- 麻生久美子(菅原真紀):千葉県出身
- 島崎遥香(菅原愛海):埼玉県出身
- 成田凌(友情出演:五十嵐春翔):埼玉県出身
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お分かりいただけましたでしょうか?
この埼玉県出身者の少なさ(笑)
主人公2人はともに沖縄県出身で、関東でもないというキャストの出身地でした。
主要キャストで埼玉県出身者は、益若つばさ、ブラザートム、島崎遥香、友情出演の成田凌だけです。
ちなみに、写真のみ出演しているキャストの中では、高見沢俊彦と反町隆史が埼玉県出身です。
埼玉解放のために戦う作品なので、埼玉出身者が演じた方がリアリティがありそうですが、逆に出身者だからこそ演じにくいという部分があるのかもしれませんね。
映画で見るGACKTにも二階堂ふみもにも違和感はなかったのでキャストとしては良かったのかもしれません。
埼玉から歓迎される作品『翔んで埼玉』
映画は最初、ただただ埼玉が冷遇されている場面が続いていきます。
埼玉県民にとって決して笑える展開ではありません。
でも映画公開直前には埼玉県知事を訪問したり、埼玉県の『埼玉新聞』が特別号を出したり、「埼玉県民が愛する“高級野菜の種”」を協賛企業が上映している映画館で配布するなど、埼玉県としては応援している作品です。
映画では、現代パートと伝説パートに分かれていて、GACKTや二階堂ふみは伝説パートに出演しています。
先ほど紹介した、ブラザートム以下、麻生久美子、島崎遥香、成田凌が現代パートに出演しているキャストです。
現代パートでは、埼玉県出身であることを恥ずかしく思っている菅原愛海(島崎遥香)が伝説パートの話を聞いたことで埼玉の良さに気づき、埼玉で新婚生活を送ることを決めます。
埼玉の良さに現代の子がきづくというストーリーが埼玉県人にとって受け入れやすいものだったのかもしれませんね。
ちなみに「ダ埼玉」という言葉を最初に言ったのはタモリさんです。
当時は攻撃的な芸風で知られていたタモリは、埼玉県人が垢抜けないことを揶揄して「ダサい」と言うようになり、それと「埼玉」を組み合わせて「ダ埼玉」というようになりました。
それが当時の流行語ともなったというのですから、今では考えられませんね!
「ダ埼玉」と呼ばれる埼玉には、確かに東京よりは格下という感じがありますが、でもそれが埼玉のアイデンティティにもなっているように感じます。東京にすぐ行けることから人気の町ですし、今では家族世帯にとって住みやすい街として人気です。
今回の『翔んで埼玉』の大ヒットでさらに埼玉は、埼玉県人にとっては自慢の、そして全国の人にとって親しみやすい県になったのではないでしょうか。